着物の種類と格・正装系着物編その2

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前回のこのコーナーでは、正装系着物編その1についてお話しし、色無地、江戸小紋、訪問着・付け下げについてご案内しました。

色無地と江戸小紋はコーディネート次第で街着にもなるので、大変便利です。

「最初に着物を作るなら色無地を」という人もいるぐらい、重宝します。

正装系の着物のお話、第二弾です。

今回は、振袖、黒留袖、色留袖、喪服についてご案内します。

ということで、まずは「振袖」。

振袖は、未婚女性の礼装です。袖丈が長いです。袖丈の長さによって大振袖(115cm以上)、中振袖(95~115cmぐらい)、小振袖(85~95cmぐらい)に分かれます。

帯締めや帯揚げにボリュームのあるものを選んで華やかに装います。

成人式に振袖を着る方が多いですね。お母さんの成人式の時の着物を娘さんが着ることもあったりして、「着物は代々受け継がれて素敵だなぁ」と思います。

成人式に着た着物を、友だちの結婚式で着て行く人もいますね。振袖は未婚の間の特権ですから、大いに活用してほしいと思います。

或いは、成人式の時に袖の振りの辺りにあまり模様がないシックな振袖を着て、将来的に袖丈を短くして訪問着として着るという方法もあります。訪問着なら結婚後もフォーマルな場に着て行けますし、切り取った袖でバッグなどを作ったりもできそうですね。

着物は基本的な型が決まっているから、応用が効くんですね。そこが素晴らしいと思います。

では次に、「黒留袖・色留袖」のご案内をします。

「黒留袖」は、黒地に染め抜きの五つ紋をつけた絵羽裾模様の着物です。現代では既婚女性の慶事に着る第一礼装という位置づけです。昔は、「喜びを重ねる」という意味合いから、白羽二重のものを重ね着していたそうですが、今は簡略化されて「比翼仕立て」になっているのだそうです。

黒留袖、私はまだ一度も着たことがありませんが、義母の遺品の中にありました。私の結婚式の時に着てくれたものです。衿のところで白いのがひらひらしています・・・比翼仕立ても、初めて見ました。

「色留袖」は、黒地以外の色地の裾模様です。こちらは、未婚者でも着用できます。五つ紋、三つ紋、一つ紋があり、紋の数によって格が決まるのだそうです。私は色留袖も着たことがありませんが、ご近所さんの息子さんの結婚式で、新婦のお姉さまが着ていらっしゃいました。帯も素敵で、二重太鼓の垂れの部分がひらひらとひだに折られた、目を引く帯結びでした。

最後に、「喪服」ですが、喪服は大きく分けて黒一色の喪服と色喪服とあります。黒い着物に黒い帯の喪服は、告別式に着る喪の第一礼装です。

一方、色喪服は通夜、一周忌、三回忌などの法事に着ます。この場合、着物はグレー、紫、濃紺などの無地の着物、帯と小物は黒一色のものを合わせます。

喪服については、現代では着る機会がかなり限られている気がします。

通夜は色喪服、と先ほど書きましたが、私の住む地域(群馬県西部)では、通夜も黒一色の喪服という場合がほとんどです。色喪服の人を見かけたことがありません。

それどころか、最近は通夜はほとんどの場合が全員洋装、告別式でも男性は洋装、女性でも喪主や喪主の妻、故人の母、故人の娘や姉妹以外は皆洋装で、和服姿自体が非常にまれという状況になっているように思います。

義母の遺品に仕付けがついたままのグレーの色無地があって、家紋の地紋が入った黒い帯もあったんです。帯も未使用です。もしかして、誰かのお通夜に着るために買ったのかもしれません。でも、今となっては、お通夜に着るには勇気が必要です。

着るとしたら私の祖母の葬儀か、義父の葬儀か、私の父の葬儀ということになるのでしょうけれど、たぶん祖母や実父の葬儀は洋装、義父の場合も通夜は洋装、告別式に黒の喪服という感じになりそうです。

世の中、「みんながしていること」が正しいことのように広がっていく傾向にあります。本来なら、上に書いたように通夜が色喪服、告別式が黒喪服なんですが、通夜に黒以外の着物を着ていると違和感がある世の中になりつつあります。そうなると、正しいと思うことがなかなかできないという状況になり、それはそれで少し残念な気がします。

呉服屋の孫、日本から着物を消したくないので、日々、着物を広めていきたいと思う今日この頃です。